2024年12月25日水曜日

 画像診断 2024.11


・脳出血は、重度貧血や活動性出血部位など十分な凝血槐形成がないど、高吸収とならないことがある。


・脳動脈瘤の分類

 1)嚢状動脈瘤 動脈瘤の90%を占め、90%が前方循環系。血行力学的負荷が大きい分岐部に。多発もする。

 2)仮性動脈瘤 動脈壁が破綻し周囲組織に囲まれて瘤状に。小児頻度が高い。外傷、感染症、薬物乱用、腫瘍、医原性などが原因に。

 3)血豆状動脈瘤 薄く脆弱な動脈壁の小さな半球状/広基性の突出。動脈瘤の1%程度であるが、多くは破裂。CTA/MRAで指摘できず、血管造影で初めて発見されることも。

 4)紡錘状動脈瘤 動脈壁全周が紡錘状に拡張。後方循環系に多い。原因は解離が最多で、動脈硬化、結合組織疾患、感染、稀に腫瘍性など。


・脳動脈瘤周囲浮腫(perianeyurysmal edema:PAE)

 脳動脈瘤に接する脳実質に血管性浮腫。コイル塞栓術後や巨大動脈瘤、部分的血栓化動脈瘤で頻度が高い


・頭蓋内動脈狭窄

 (白人が頭蓋外動脈狭窄が多いのに対して)アジア人で多い。動脈硬化が最多で、動脈解離、モヤモヤ病、炎症/感染/血管炎、線維筋性異形成、先天性疾患などが原因で。



・モヤモヤ病の経過観察

 新規血管障害(梗塞、出血)、白質病変の変化、主病態である血管狭窄の進行(末梢分枝の不明瞭化などもみる)、脳動脈瘤の検索/フォロー、術後であれば術部位の変化


・dVAFの経過観察

 どのような発症形態や経過で起こっているか(初回発症が出血の場合、再出血を来しやすい)、皮質静脈逆流の程度確認。

 画像評価で改善する前に症状が変動(改善/増悪)しうる。特に海綿静脈洞部のTAE後/自然経過にて血栓化が進むと、視力低下、結膜充血などの症状が一次的に悪化する(paradoxical worsening)。頭蓋内の静脈性高血圧が解除されると、上眼静脈拡張が軽減することもある。(上眼静脈は弁がなく直接的に海綿状静脈洞/頭蓋内の脳脊髄液/頭蓋内圧の影響を受けやすいため。)


・AVMの経過観察

 フォローは造影MRAがよいかも。小児患者では切除後再発リスクが成人よりも高い。


・脳実質内腫瘍術後 時間経過とともに術後変化(特に断端造影効果)が出てくるので、術後48時間以内に造影MRIが望ましい。腫瘍摘出縁に限局したDWI高信号がしばしばみられるが、術後性変化の範囲内。
・脳腫瘍治療後の注意
 (1)放射線壊死 3か月-2年。造影される病変内に造影されない壊死が多発する。造影T1WI増強に比して、T2WI高信号領域が小さいことが知られている。
 (2)pseudoprogression 悪性グリオーマのテモゾロミドや、免疫チェックポイント阻害剤の使用で。直ちに増悪を再発としない。
 (3)pseudoresponse ベバシズマブにて異常な透過性を示す血管を正常化するため画像所見が見かけ上改善して見える

・脳実質外腫瘍の再発フォロー もとの腫瘍の性状により、石灰化やDWIもよく確認する。

・造影効果の乏しい癌性髄膜炎 FLAIRや脳室拡大にも注意

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