2026年5月30日土曜日

 臨床画像 2026.5

中枢神経領域知識の再整理


 

<自己免疫性脳炎:AE

・神経細胞内抗原にたいする抗体、神経細胞表面・シナプス抗原にたいする抗体、に大別するとわかりやすい

・神経細胞内抗原にたいする抗体:Hu, Yo, Ma2, CV2/CRMP5, Ri, Amphiphysinなど。細胞障害性T細胞が関与する傍腫瘍性神経症候群として発症することが多い。一般に免疫療法への反応は限定的。

神経細胞表面・シナプス抗原にたいする抗体:NMDAR, LGI1, CASPR2, AMPAR, GABA R, DPPXなど。抗体による可逆性なシナプス機能障害主体で、免疫療法への反応は比較的良好。

GFAPMOGなどのグリア/髄鞘関連抗原に対する自己抗体もある

GFAPは成熟アストロサイト、MOGはオリゴデンドロサイト表面および髄鞘最外層に発現する蛋白

・背景腫瘍の関連: 抗Huは小細胞肺癌、抗NMDARは卵巣奇形腫、抗Ma2は精巣腫瘍が代表的。

AEはまず3か月以内に進行する亜急性経過が前提。

 加えて、記憶障害、意識変容、精神症状を中核症候として疑う。

 加えて、新規局在兆候、原因不明の新たな痙攣発作、髄液細胞増多、MRI異常のいずれを伴い、他の原因が合理的に除外されることで診断される。

 自己免疫性辺縁系脳炎は、両側内側側頭葉のMRI異常信号。

AE患者の61%に発症時MRI異常、最多は辺縁系。

 

AE画像

 典型像は、辺縁系脳炎。LGI1, GABABR, AMPAR, GAD65などが上がる。

 皮質・皮質下病変は、多発性だとGABAAR関連が代表的。抗NMDAR抗体でも。MPGADcerebral cortical encephalitisも、皮質高信号と痙攣発作の鑑別に。

 基底核病変は、D2R関連、CV2/CRMP5関連、稀にNMDAR関連で。若年者で精神症状や不随意運動を伴う場合に鑑別に挙げる意義あり。他の基底核を侵す疾患、CDJ、代謝性や感染性疾患が鑑別。

 間脳視床下部は、Ma2関連で。

 脳幹小脳病変は、細胞内抗原関連の傍腫瘍性病変で比較的多く、Ma2, Ri, Yo, Huなど。

・独立した自己免疫性中枢神経炎症性疾患に、GFAP astrocytopathyGd造影後で血管周囲に沿った放射状造影造影増強効果が代表的、加えて、軟髄膜増強、脳幹病変、脊髄長大病変。神経サルコイドーシスやリンパ腫様肉芽腫が鑑別。

・これら鑑別として、単純ヘルペス(出血や拡散制限はこちらを支持する所見。単純ヘルペス後に二次性自己免疫性脳炎(特に抗NMDAR関連脳炎)が続発することもある)、痙攣後変化、神経膠腫など。


 

 

<免疫抑制背景患者の中枢神経画像>

感染症

 ・トキソプラズマ:20%にみられる特異的所見としてeccentric target sign(膿瘍ないに内腔に入り込んだ血管構造であるtarger状造影効果)

HIV脳症:脱髄や空砲変性をきたして、脳室周囲白質や半卵円中心にmass effectを伴わない融合状高信号。

 ・真菌感染症:鉄沈着や出血のT2低信号をきたすアスペルギルス、血管周囲腔にゼラチン様の偽嚢胞を形成するクリプトコッカス、ムコールなど。

 

脱髄性疾患

 ・PMLJCV活性化で、oligodendrocyteを障害する。病変は片側性・両側性いずれもあり、左右非対称の斑状・融合状の病変を呈し、通常造影効果は認めない。拡散強調像が重要で、脱髄病変の辺縁部を縁取るようにDWI高信号を示す(特に皮質下)

 ・ナタリズマブ関連進行性多巣性白質脳症:多発性硬化症の再発予防薬で、0.3%にPML発症といわれる。

 

腫瘍:中枢神経悪性リンパ腫:免疫抑制状態では多発性(30-80%)、悪性神経膠腫や転移性と同様に内部壊死をおこしリング状造影効果をしめす腫瘤おして認められることもある。

 

 

<多発性硬化症のアップデート>

2024年改訂McDonald基準のおもな変更点

・視神経病変を空間的多発性を満たすための第5の領域として追加

・診断に時間的多発性は不要

・髄液中のkappa free light chain(kFLC)を診断バイオマーカーとして、髄液オリゴクローナルバンドの他に追加。

CVSおよびPRLという2つの画像所見が診断基準にくみこまれる

Radiologically isolated syndromeRIS)患者が基準を満たすとき、臨床症状がなくてもMSと診断可能に。(高率にMS移行することや、早期治療介入の有効性のため)

 

Cental vein signCVL):白質病変の中心を小静脈が貫く所見。免疫細胞が小静脈を通じて中枢神経系に侵入することにより、白質病変が発生する。改訂基準では、6個以上が採用。

Paramagnetic rim lesionPRL):白質病変の辺縁に鉄沈着rimを伴う所見。慢性活動性病変を反映とされる。外縁の2/3以上を連続して取り囲み、皮質や脳室上衣との境界は含まず、造影増強をしめすような急性期病変は除外。

 

MSとNMOD,MOGADの画像鑑別(いずれも中枢神経の炎症性脱髄疾患)

・脳病変

MSは脳室周囲に沿った卵円形病変や脳梁に直行して放射状に伸び、皮質や皮質近傍病変も特徴的で中小脳脚に複数病変を認めることも。

NMOSDは、第3脳室や中脳水道周囲、第4脳室近傍の脳幹、延髄最後野などの脳室系周囲に沿った分布が特徴的。白質病変はしばしば大きく、白質線維側に沿って広がる傾向で、特に錐体路にそった病変は示唆的。

MOGADは、大脳白質辺縁に毛羽立ちを伴う比較的大きな病変がひられることが多い。視床から内包後脚を含む病変、大脳脚病変、皮質病変も特徴的。軟髄膜の造影病変やテント下領域の毛羽立ちを伴う病変も。

・脊髄病変

 MSは通常2椎体以下の短い範囲に、脊髄辺縁部に位置することが多い

 NMOSDは、3椎体以上におよぶlong cord lesionが典型で、脊髄横断面の70%異常を占める中心性病変を呈することが多い。T2WIで脳脊髄液と同等の高信号を呈するbright spotty lesionは特徴。

 MOGADNMOSD同様に中心性のlong cord lesionを示す傾向。円錐部病変や、横断面で灰白質に限局したH字型病変が特徴。

・視神経病変

 MSは眼窩内や視神経内に限局する、短区間・片側性病変が多い。

 NMOSDは長区間に及ぶ病変が多く、視交叉への進展が特徴的。

 MOGADでは視神経前方を主体とする両側性病変が特徴的。視神経の造影効果や腫大に加えて、視神経周囲炎を伴うことも特徴的。

 

 

<脳腫瘍治療後変化と治療関連合併症>

・術後早期CTでは術後出血や粗大梗塞の除外、48h以内造影MRIでは切除範囲評価や合併症検索目的。

・治療効果判定は「RANO基準」

・放射線誘発障害・壊死:治療後3-12か月の出現が多いが、数-数十年後発症も。

・放射線誘発白質脳症:治療後6か月以降に出現する晩期遅発性脳障害のひとつ。全脳照射後に半年で30%3年でほぼ100%に認められる。神経細胞障害や脱髄、海馬神経新生障害が機序のよう。

・放射線誘発vasculopathy:晩期遅発性障害のひとつ。放射線じよる血管内皮細胞障害から、血管壁の壊死や繊維化が生じ、脳梗塞や脳出血,もやもや病様血管変化,血管奇形,微小出血など。(小児白血病治療後など。)なお、照射治療後、基底核や歯状核、皮質下白質に石灰化をきたすとradiation-induced mineralizing microangiopathy

radiation-induced cavernous malformation:頻度は7-41%。

radiation-induced brain tumor:多いのは髄膜腫で、多発性・再発性・高悪性度の傾向。Glioma0.4%と比較的まれで、多くはhigh grade anstocytoma

・SMART症候群:まれな遅発性合併症で、数年-数十年後に、片頭痛様頭痛,痙攣,視覚障害,失語や片麻痺などの一過性神経症状を呈する。MRIでは、症状に対応する大脳皮質に沿った、片側性のFLAIR高信号と皮質造影増強効果が多く、通常は拡散制限を伴わない。

 

・Temovolomide(TMZ)によるpseudoprogression

・Bevacizumab(Bev)によるpseudoresponse:血管内皮細胞増殖因子にたいする抗体のため

BCNUウエハー:徐放性化学療法剤で、留置後はCT高吸収、T1WI/T2WI低信号、周囲にガス。1-3か月後には、CT低吸収、T1WI高信号、T2WI目立たなくなるという変化。摘出周囲腔にも嚢胞状拡大や浮腫性変化、1-2か月以内に造影増強や拡散制限も。

 

<治療関連中枢神経障害>

血管内皮障害および血液脳関門破綻

ICANSCAR-T療法にともなう神経毒性の発現。治療後3-6日に発症、7-8日がピークで、1-2週間かけて徐々に改善。CART療法は、他にパーキンソン様症状(FLAIR 基底核高信号)、脊髄炎、顔面神経麻痺(造影増強)、虚血性脳血管障害、末梢神経障害

PRES

RCVC

ARIA

・心臓手術やカテーテル後の微小出血

 

免疫介在性/irAE:下垂体炎が代表、他に髄膜炎、血管炎、脱髄も。

 

薬剤性直接神経毒性

・メトトレキサート脳症:白質脳症で、重症例では壊死性白質脳症

・メトロニダゾール脳症:小脳歯状核病変が代表的

・5-FUやシクロスポリンでも白質脳症

・エタンブトール視神経症

 

治療関連代謝浸透圧異常

・浸透圧性脱髄症候群(橋中心性はCPM、橋外髄鞘崩壊症候群はEPM):低Na急速補正が代表的だが、電解質異常、慢性アルコール多飲、低栄養、重症熱傷、肝移植後でも。

Wernicke脳症:Vit.B1欠乏で。乳頭体(時に出血)、視床内側、第三脳室-注意脳水道周囲に異常信号

2025年11月6日木曜日

 【臨床画像2025年増刊 感染症の画像診断】


髄膜炎

・細菌性髄膜炎:免疫能が比較的発達していない小児や高齢者に。肺炎球菌に治療中に脳梗塞を合併することが知れられている

・ウイルス性髄膜炎:多くの場合画像所見を認めない

・亜急性髄膜炎は1-2週で受診が多く、結核性真菌性など。

脳症

・多くはウイルス性脳炎による、脳実質の炎症。

・臨床や画像所見から、限局性脳炎型(辺縁系脳炎など)、全脳炎型、多巣性脳炎型などがある。脳症の型として、MRES(一過性脳梁膨大部病変)とAESD(痙攣重積)が多い。

・亜急性期-慢性脳炎は、神経梅毒、遅発性ウイルス感染症、プリオン病など。全脳炎型としては亜急性硬化性脳炎、多巣型としてはトキソプラズマ脳炎や進行性多巣性白質脳症など。


肺MAC症

・NTMは200種以上同定されているが、90%がMycobacterium avium complex。

・結節気管支拡張型 nodular bronchiectatic formは多くで認め、中肺野の末梢肺の小結節粒状影と気管支拡張。

 NB型でも空洞形成があると治療抵抗性であり「有空洞NB型/cavitayr NB form」という。

 線維空洞型 fibrocarvitary formは、結核症類似の肺尖や上葉の空洞が主体。結核に比べて、空洞壁が比較的薄く、周囲の気道散布性病巣や浸出性変化が乏しく、空洞に開口する拡張気管支を認めることが多い。


非典型MAC症

・免疫低下(生物学的製剤、HIV陽性、抗INFγ抗体陽性)、肺の基礎疾患(先天性肺気道奇形や線毛機能不全、後天的異常)、健常者にみられる非典型像(孤立性肺結節や過敏性肺炎型/hot tub lung)がある。


アスペルギルス症

・アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、侵襲性肺アスペルギルス症(IPA)、慢性肺アスペルギルス症(CPA)がある。

 慢性肺アスペルギルスは、単純性肺アスペルギローマ(SPA)、慢性進行性肺アスペルギルス症(CPPA)分けられる。

 慢性進行性肺アスペルギルス症は慢性空洞性肺アスペルギルス症(CCPA)と慢性壊死性肺アスペルギルス症(CNPA)に分けられるが、区別は難しい。また、NTMとの合併がある。


・一般的画像所見としては、

 単純性肺アスペルギローマは、単一空洞内に菌球形成。

 慢性空洞性肺アスペルギルス症は、多発性、進行性の空洞拡大、空洞周囲の浸潤影。

 慢性壊死性肺アスペルギルス症は、進行性の空洞、浸潤影、空洞内菌球、など。侵襲性肺アスペルギルス同様に、組織侵襲性あり。


・肺カンジダ症と侵襲性肺アスペルギルスIPAの比較では、両者とも結節が主要な所見であすが、小葉中心性陰影はIPAで頻度が高く、ランダム分布は肺カンジダ症で半数(IPAでは4%と低い)。カンジダ血症での結節影でも30%でCT halo signがみられるとされる。

 

肺ムーコル症

・標準抗真菌薬のボリコナゾールが効かない

・reversed CT signが強く示唆するCT所見(19-95%、早期に出現)

 好中球減少患者では、すりガラス影、CT halo sign、reversed CT signが多いとされる

 


Lugwid angina (Ludwigはラートヴィヒ)

・膿瘍形成を伴わない急速に進行する口腔底蜂窩織炎で、顎下間隙,舌下間隙,オトガイ下に炎症が急速に波及する病態。

・救急疾患で、発症から診断まで平均3-4日と短い。

・組織間隙を通じて、髄膜炎,縦隔炎,膿胸などを合併しうる。

・約90%が口腔感染が原因。


Bezold膿瘍/Bezold’s abscess

・乳様突起から下内側方向に炎症が波及し、胸鎖乳突筋の深部に膿瘍が形成する

・乳突蜂巣内の炎症が骨を破壊し、骨膜下-筋間隙に穿破する

・成人で乳突蜂巣の含気が発達し、皮質骨が菲薄な場合に生じやすいが、小児例もある。

・中耳炎由来の頚部膿瘍は、Citelli膿瘍(顎下三角)、Luc膿瘍(側頭筋下)がある。


膿胸関連リンパ腫pyothorax-associated lyomphoma

・PALはびまん性大細胞型Bリンパ腫が多い

・慢性炎症やEBVとの関連が疑われている

・他に扁平上皮癌、胸膜中皮腫、肉腫など


右側結腸炎

・カンピロバクター:鳥チャーシューが最近では。15%で血便。ギランバレー症候群、感染後過敏性腸症候群、反応性関節炎などさまざまな合併症あり。

・サルモネラ:鶏卵感染が知られる。高熱を伴うなど、症状が強く、重症例は血便。治療後も長期に菌検出される場合は、胆石保有などによる胆嚢内保菌も。

・エルシニア:加熱不十分な肉、井戸水、げっ歯類など。0-4℃の冷蔵庫でも増殖する。消化管穿孔や腸閉塞を合併したり、反応性関節炎や川崎病様症状を伴うことも。

・下痢原性大腸菌感染症:腸管出血性大腸炎enterohemorrhagic Escherichia coli(EHEC)が重要。HUS合併が1-5%に。

・アメーバ性:輸入感染症や男性同性愛者に

・Cloctridium difficile(CD)感染症:偽膜性腸炎

・抗菌薬起因性出血性大腸炎:比較的健康な若年者に多い。ペニシリンやセフェム薬投与後数日で、水溶性下痢,腹痛,血便など。

・Klebsiella oxytoca:ピロリ菌除去後/上部内視鏡後、歯科治療後がキーワード。

・サイトメガロウイルス腸炎:造血幹細胞移植後、AIDS、ステロイド、抗がん剤などの基礎疾患を背景とする。結腸にも小腸にも。UC,GVHD,薬剤性腸炎など鑑別。



急性巣状細菌性腎炎acute focal becterial nephritis:AFBN

・腎実質局所感染による液状化を伴う腫瘤性病変。

・急性腎盂腎炎よりも膿尿や尿培養陽性率が低い。

・腎膿瘍はT2WI高信号に対して、低信号を呈する。

・鑑別は間質性腎炎(≒尿細管病変と合わせて尿細管間質性腎炎)。こちらは薬剤性が最多で、免疫異常、代謝異常、感染症など。小児では、NSAIDSやメサラジンによる報告。


黄色肉芽腫性腎盂腎炎

・腎実質が破壊され、病理学に脂肪を貪食したマクロファージで置換される

・腎盂腎炎の0.6%ほど。

・肉芽が全体のびまん型(8割)と、腎杯周囲に限局の限局型がある。

・中高年女性に好発。基礎疾患として、糖尿病、尿路結石/サンゴ状結石、尿管狭窄。

・CT典型像では腎全体が腫大し、サンゴ状結石を伴う。髄質中心の低吸収域が多発し、造影後も低吸収内には造影効果を認めず、辺縁にrim状造影効果が見られることがある。

 限局型では乏血性腎細胞癌と鑑別が難しいことも。

 周囲構造と瘻孔を形成することも。


腎尿路結核

・血行性感染。

・初期は血流の多い糸球体に感染巣を形成し、無症状のことも。

 炎症再燃すると、髄質や乳頭部に進展し、肉芽腫が癒合,乾酪壊死を起こし、炎症,線維化による腎杯拡張を来す。

 さらに進行すると、尿中に結核菌が排出され、尿管の感染-狭窄をきたす。

・腎結核があっても肺結核確認できるのは、26-75%と低い。


膀胱炎

・腎移植や同種造血幹細胞移植後では、出血性膀胱炎。アデノウイルスやBKウイルスの再活化による。


Alkaline-encrusted pyelitis and cystitisアルカリ性痂皮性膀胱炎および腎盂腎炎

・主要起因菌はCorynebacterium urealyticumの慢性感染症。

・尿素分解酵素をもち、尿路をアンモニアに分解し、尿pHをアルカリ化にされ、リン酸Caやリン酸Mgが析出する。尿路壁に付着し結晶化、石灰化、炎症を引き起こす。

・背景として、腎移植後などの免疫抑制状態や尿路操作後がある。


PID 結核

・性器結核や結核性腹膜炎はほとんどが続発性/二次感染

・結核性腹膜炎は①被包化/遊離した大量腹水を伴うwet type(90%)➁大きな大網ケーキと腸管の癒着集簇を主とするfibrotic type(60%)③乾酪壊死を伴うリンパ節腫大と腸管周囲の線維化を主とするdry plastic type(10%)に分類される。

・女性生殖器結核は卵管が最多で両側性がほとんど。次いで子宮内膜。

 卵管結核は卵巣に進展し卵管卵巣膿瘍を形成したり、下行性に子宮結核併発が多い。

・卵管結核の画像は、卵管の不規則な拡張,壁肥厚,液体貯留。卵管壁や膿瘍壁がT2WI低信号を示す。


PID 放線菌症

・Actinomycesによる慢性肉芽腫性感染症で、多発膿瘍、肉芽痙性、線維化を起こす。

・IUD調基挿入がリスクファクター。

・蛋白分解酵素を産出するため、腹膜や筋膜を超えて進展する。

・サイズが大きいのに、(悪性としては)リンパ節腫大に乏しく、IUD挿入があるときに積極的に鑑別に。

・MRIでは充実部分が線維成分を反映しT2WI低信号を示す。

2025年10月31日金曜日

画像診断 2025.7 (呼吸器特集)からメモ


・Degloving injury:大腿直筋の羽状筋成分が内外に分離するような損傷


・PSA再発/生化学的再発:根治的全摘後では持続的に0.2ng/ml以上、根治的RT後は最低値から2.0以上の上昇で


・肺癌:臓側胸膜浸潤T2、壁側胸膜浸潤(≒肋間筋や肋骨浸潤)T3。限局性胸痛があると胸膜浸潤の可能性が高い。


・カルチノイド症候群:限局期症例では稀で、肝転移をともなうと多い。セロトニンは、肝肺代謝であるが、肝転移症例では肝を経ずに直接静脈へ流入するため。


・肺サルコイドーシス:時に下肺野優位の分布も(4.5-7.5%)


・両肺びまん性小葉中性粒状影の鑑別:まずは細気管支病変と肺動脈病変を考える。前者は下気道感染、喫煙粉塵、末梢気道病変。後者は肺動脈性高血圧、血管内腫瘍栓~PTTM

2025年9月29日月曜日

 画像診断2025.8 から頸部メモ

・術後上顎嚢胞は眼窩下管との位置関係重要 ・頭蓋内進展は、硬膜の造影効果の厚み(2-5mm)の肥厚、結節状肥厚、T2WIで骨膜を示唆する線状低信号消失。脳浮腫は実質への浸潤。 ・真珠腫の浸潤は、外側半規管では欠損長3.65mm、角度71.6°。  硬膜では、頭蓋底欠損がカットオフ値2.99mm。 ・反回神経浸潤は、気管食道溝進展、腫瘍辺縁の25%以上が甲状腺後方被膜に接する、声帯などの反回神経麻痺所見。 ・気管MRI浸潤は、T2WI低信号の気管軟骨、高信号の気管粘膜/粘膜下組織の断裂をみる。

 乳腺MRIの病理の話メモ


●Multifocal,Multicentric,娘結節の使い分け

 Multifocal→単一区域内の多発病変→遺伝学的に同一が多い

 Multicentric→複数区域内の多発病変

(Daughter Nodule→明らかに大きな結節の脇にあるときに)


●多発する浸潤癌

・広範なDCIS内の複数浸潤性乳癌病巣

・大型の主要病巣に小さな衛星病変(satellite foci)

・リンパ節血管浸潤(LVI)による乳房内遠位

・異なるタイプやグレードのものが同時性独立(multicentric tumor)


●乳癌取り扱い規約19での浸潤径の評価方法

 同じような/一連の組織が考えられる場合、病変の距離5mm以内であれば、浸潤径に含める

 (つまり5mm以上離れていれば別)


●治療効果の判定方法

・病期分類はUICCのypTNM分類

・Risidual Cancer Burden(Webで項目入力でできる:UICCとは測るとことか違う)


●Sick lobe

・乳癌は遺伝的不安定な乳腺小葉を基盤としており、Sick lobeには乳癌多発するという概念

・遺伝子変異で多段階発癌 (Der(1:16)はLuminalAでよくみられる)

 正常→異型上皮→異型乳管過形成→低異型度非浸潤性乳管癌→低異型度浸潤性乳管癌

 familiyなど特定されてきている

・広範な前駆病変を伴って浸潤癌が多発

・切除範囲の慎重検討が必要のよう


●Microglandular adenosis微小腺管腺症:一部のTN乳癌の前駆病変?


●Paget diseaseの乳房内の乳管癌について

・Paget細胞は乳癌細胞と同じ形質

・Paget細胞の起源は、乳房内の非浸潤性乳管癌あるいは浸潤癌

・Secondary Paget disease:真皮内で浸潤性に増殖したものが、表皮に浸潤して表皮内で広がる

・Toker cellはPaget細胞の前駆かも

・取り扱い規約19では乳頭/乳輪部(および周囲皮膚)限局だけなのをPaget disease。

 (乳頭部+DCISや浸潤癌、は除外)

・Pagetoid癌は病理では使わない

・Pagetoid spreadは、小葉癌細胞が乳管内を乳管上皮と筋上皮細胞の間に広がっていく状態


●乳管内癌

・EIC(extensive intraductal component)

・Intraductal spreading:DCIS was present clearly extending beyond the TDLU

「非浸潤性の乳がんである乳管内癌(DCIS)が、乳管の基本的な機能単位である終末乳管小葉単位(TDLU)を超えて乳管内に広がっている」

 結果的に浸潤癌のまわりの管内癌の広がりなど


●MRIのrimについて

Thick rim enhancementがこれから出そう

中心壊死や線維化を伴う不整で厚い辺縁造影効果⇔辺縁の薄い造影効果

2024年12月31日火曜日

 「症例から学ぶ産婦人科疾患の画像診断」子宮体部扁


・子宮筋腫のヒアリン変性はT1WI低信号。富細胞性は早期から濃染。赤色変性は突然の静脈閉塞による。

・子宮腺筋症は、junctional zoneの拡大あり。T2WI高信号は、異所性子宮内膜腺およびその拡張、出血に相当。腺組織から内膜癌が発生しうる。

 嚢胞性腺筋症はT2WI低信号rimに囲まれる。この嚢胞壁に癌が発生すると、卵巣腫瘍のような壁在結節を呈する。


・子宮内膜増殖症は、閉経前後で過剰なエストロゲン刺激による非腫瘍性変化。子宮内膜異型増殖症は50代前半に多く、類内膜癌への移行もしくは合併(25-40%)が多い。これら増殖症のリスク因子は肥満,PCOS,糖尿病など。

・内膜ポリープは良性の子宮内膜腺と間質の増生。

 タモキシフェン投与で、嚢胞性萎縮と内膜ポリープ。


・子宮体癌の80%は類内膜癌。

 子宮体癌I型はエストロゲン依存性で、比較的若年者。高分化型-中分化型の類内膜癌(G1-G2)が大半。内膜増殖性を経て発生すると考えられている。

 II型はエストロゲン非依存性。比較的高齢者。漿液性癌、明細胞癌など、I型よりも予後不良。


・体癌の筋層浸潤は、junctional zoneとsubendometrial enhancement(SEE)をみる。

SEEと紛らわしい所見としてPTE(peritumoral enhancement)があり、腫瘍周囲に認める造影効果。PTEは体癌の半数程度に認め、腫瘍の筋層付着部の血管増生を反映や、腫瘍先進部の炎症細胞浸潤を伴う間質反応の血管増生を反映と考えられている。

・子宮体癌の5-8%に原発性卵巣癌を合併(必ずしも転移ではない)


・子宮体部漿液性癌は、腫瘍細胞が乳頭状-管状構造を呈する高悪性度腺癌。筋層浸潤が軽度でも腹膜播種をみとめることがある。播種には砂状体の石灰化を認めることも。

 前駆/初期病変は漿液性子宮内膜上皮内癌(serous endometrial intraepithelial ca.:SEIC)


・子宮癌肉腫は、典型には内子宮口より頚管内に突出する腫瘤。出血や造影不良も。

 高異型度の癌腫成分(類内膜型が多いが漿液性,明細胞性,扁平上皮なども)と、肉腫成分(内膜間質,平滑筋,横紋筋,骨,軟骨など多彩な間質成分)の増生からなる。

 閉経後に多く、予後不良。


・異型ポリープ状腺筋腫(atypical polypoid adenomyoma:APA)

 子宮体部下部に好発。異型のある子宮内膜型腺上皮が複雑な腺管をなして線維筋性間質を伴うポリープ状腫瘤。子宮内膜癌合併割合は10%(内膜ポリープのそれは1%)と高リスク。

・子宮体癌はLynch症候群に関連

2024年12月25日水曜日

 画像診断 2024.11


・脳出血は、重度貧血や活動性出血部位など十分な凝血槐形成がないど、高吸収とならないことがある。


・脳動脈瘤の分類

 1)嚢状動脈瘤 動脈瘤の90%を占め、90%が前方循環系。血行力学的負荷が大きい分岐部に。多発もする。

 2)仮性動脈瘤 動脈壁が破綻し周囲組織に囲まれて瘤状に。小児頻度が高い。外傷、感染症、薬物乱用、腫瘍、医原性などが原因に。

 3)血豆状動脈瘤 薄く脆弱な動脈壁の小さな半球状/広基性の突出。動脈瘤の1%程度であるが、多くは破裂。CTA/MRAで指摘できず、血管造影で初めて発見されることも。

 4)紡錘状動脈瘤 動脈壁全周が紡錘状に拡張。後方循環系に多い。原因は解離が最多で、動脈硬化、結合組織疾患、感染、稀に腫瘍性など。


・脳動脈瘤周囲浮腫(perianeyurysmal edema:PAE)

 脳動脈瘤に接する脳実質に血管性浮腫。コイル塞栓術後や巨大動脈瘤、部分的血栓化動脈瘤で頻度が高い


・頭蓋内動脈狭窄

 (白人が頭蓋外動脈狭窄が多いのに対して)アジア人で多い。動脈硬化が最多で、動脈解離、モヤモヤ病、炎症/感染/血管炎、線維筋性異形成、先天性疾患などが原因で。



・モヤモヤ病の経過観察

 新規血管障害(梗塞、出血)、白質病変の変化、主病態である血管狭窄の進行(末梢分枝の不明瞭化などもみる)、脳動脈瘤の検索/フォロー、術後であれば術部位の変化


・dVAFの経過観察

 どのような発症形態や経過で起こっているか(初回発症が出血の場合、再出血を来しやすい)、皮質静脈逆流の程度確認。

 画像評価で改善する前に症状が変動(改善/増悪)しうる。特に海綿静脈洞部のTAE後/自然経過にて血栓化が進むと、視力低下、結膜充血などの症状が一次的に悪化する(paradoxical worsening)。頭蓋内の静脈性高血圧が解除されると、上眼静脈拡張が軽減することもある。(上眼静脈は弁がなく直接的に海綿状静脈洞/頭蓋内の脳脊髄液/頭蓋内圧の影響を受けやすいため。)


・AVMの経過観察

 フォローは造影MRAがよいかも。小児患者では切除後再発リスクが成人よりも高い。


・脳実質内腫瘍術後 時間経過とともに術後変化(特に断端造影効果)が出てくるので、術後48時間以内に造影MRIが望ましい。腫瘍摘出縁に限局したDWI高信号がしばしばみられるが、術後性変化の範囲内。
・脳腫瘍治療後の注意
 (1)放射線壊死 3か月-2年。造影される病変内に造影されない壊死が多発する。造影T1WI増強に比して、T2WI高信号領域が小さいことが知られている。
 (2)pseudoprogression 悪性グリオーマのテモゾロミドや、免疫チェックポイント阻害剤の使用で。直ちに増悪を再発としない。
 (3)pseudoresponse ベバシズマブにて異常な透過性を示す血管を正常化するため画像所見が見かけ上改善して見える

・脳実質外腫瘍の再発フォロー もとの腫瘍の性状により、石灰化やDWIもよく確認する。

・造影効果の乏しい癌性髄膜炎 FLAIRや脳室拡大にも注意

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