頚部の神経鞘腫
・頭蓋内の傍突起神経膠細胞は、頭蓋外で神経鞘であるSchwann細胞に移行するが、このSchwann細胞から発生。そのため、頭蓋内外の移行部~末梢神経に発生。
なお、神経線維腫はシュワン細胞のみならず、神経周膜細胞や線維芽細胞に類似した細胞がいりまじった腫瘍
・神経鞘腫基本は、(嗅神経と視神経以外の)由来神経に沿った境界明瞭な腫瘤。
・紡錐形細胞が密に配列するAntoni A型、粘液腫瘍間質を主体のAntoni B型がさまざまな割合で混在。(Target signの成因)
増大は緩徐。
・大きくなると嚢胞変性,出血,石灰化。陳旧性神経鞘腫(ancient schwannoma)と呼ばれる。
・内耳神経以外では迷走神経由来が多い。舌咽神経、副神経、舌下神経、腕神経叢、頚神経叢、交感神経など。
Pit fallとして前頭蓋底や大脳鎌、小脳テント、トルコ鞍部の報告も。
・頭蓋底から:脳神経から発生すると圧排性の骨びらんとともに神経管/神経走行部位が拡大。(鑑別は脊索腫、髄膜腫、傍神経節腫、転移、軟骨腫/軟骨肉腫)
①まずは骨や他由来か、神経孔拡大がみる。
②神経孔拡大の鑑別としての髄膜腫は、連続して硬膜のdural tail sign が特徴的。(ダンベル状は両者ともに)
・傍神経節腫は、不整形の虫食い状骨破壊、内部腫瘍血管のsalt and pepper appearanceが特徴的。
頚動脈鞘の神経鞘腫
・頸動脈動脈鞘:腫瘍と総頸動脈,内頸静脈の位置関係から由来神経を同定できる。(鑑別はリンパ節由来)
①迷走神経由来:総頸動脈内頚静脈の間からで、総頸動脈を前内側,内頸静脈を後外側に偏位され、動静脈を離開させる。
②交感神経幹由来:総頸動脈内頸静脈の後内側を走行し、動静脈を外側に偏位させる。
③頚動脈小体由来:内頸動脈と外頸静脈を離開させる。
参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/orltokyo/65/3/65_122/_article/-char/ja/
頚静脈孔の神経鞘腫
・舌咽神経、迷走神経、副神経由来。頚静脈棘より腹側(pars nervosa)は舌咽神経由来、背側(pars vascularis)は迷走/副神経由来とされるが、判断が難しいことも。
0 件のコメント:
コメントを投稿