2024年5月18日土曜日

臨床画像 2024.3 ミッドサマー特集メモ

 <びまん性肝疾患>

・肝硬変型:右葉と内側区の萎縮、尾状葉と外側区の肥大。進行すると全体に萎縮。 ・中心性肥大:PSCや再発性の細菌性胆管炎などで、後区と外側区の萎縮と、尾状葉の肥大。  中心性肥大と辺縁萎縮は、肝静脈の流出障害(心不全、Budd-Chiari,SOS)で。 ・Periportal abonormal intensity:CTでのperiportal collarに相当し、浮腫、炎症細胞浸潤、リンパ管拡張、線維化など非特異的。  さまざまな疾患で認めるため、特定の疾患の診断よりも、疾患の活動性を推定する所見ととらえた方がよい。  PAI+肝細胞相で門脈域周囲の高信号は、PBCやAIHや急性肝炎などで認めることがあり、病変との活動性を示唆。


<小児の脳出血> ・稀だが、血液疾患、腫瘍、血管奇形、感染症など原因を考慮する。 ・急性骨髄性白血病(特に前骨髄球性白血病)など血液悪性腫瘍で、多い。 ・小児のAVMは成人よりも①深部発生②異常血管が粗なdiffuse typeや1cm以下のmicro-AVMが多い。③feeder変化に乏しい④急性期に血腫圧迫や部分血栓で描出されないことがある。 <興奮毒性型急性脳症> ・痙攣重積に伴うもの(AESD)、外傷に伴うもの(TBIRD)、興奮毒性関与のもの(MEEX)などがある。 ・AESDは二相性の特徴的な経過。第3-7病日に二回目痙攣を認め、皮質下やU-fiberに沿った線状高信号を認める。 これらはMRSで、グルタミンの一過性上昇を認める。

<リンパ管> ・心臓のようなポンプ機能はなく、リンパ球、脂質、タンパク質、排泄物などのリンパ液を運ぶ。 ・内皮細胞が重なる構造で、リンパ内圧が高くなると内皮細胞がずれて、隙間ができ、リンパ液が吸収される。  管腔なのに吸収されるための隙間があり、動静脈と異なる。この構造が、癌の浸潤やうっ血や門脈圧亢進の漏出に関与している。 ・リンパ液の75%が胸管(成人で40cmx5mmサイズ)を通過する。

<頭頸部のdon't touch lesion>
・骨隆起(下顎隆起、口蓋隆起がある) ・顎舌骨筋の生理的欠損:  欠損部から舌下腺が脱出すると、顎舌骨筋ヘルニアとなる。  顎下部腫瘍やリンパ節と誤認されやすい。  信号が舌下腺と同様。 ・小唾液腺:T1WI淡い高信号の造影効果を伴う構造で、通常は左右対称性。 ・上頚神経節:  C2-3高で内頸動脈の内側に位置。  CT,MRIでは造影効果、紡錘状で上下に索状構造が連続する。  リンパ節と誤認されやすい。  放射線治療後1年以内で、増大することがある。浮腫やschwann細胞増殖,神経膜の肥厚が関係していると考えられている。

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