結晶沈着症
「ステップアップのための骨軟部画像診断より」
①痛風
・40歳以上、男性
・高尿酸結晶。
・急性の強烈な関節痛、腫脹、四肢末梢の皮膚結節
・足(特に母指中足趾間関節)、膝、手、肘
・関節周囲の腫瘤と骨侵食像
・原則として後期まで骨粗鬆化や関節腔狭小化が生じにくい
②ピロリン酸カルシウム(CPPD)沈着症
・中高齢者、性差なし
・無症状~急性の疼痛
・膝(特に半月板)、手(特に三角線維軟骨)、恥骨結合、軸椎歯突起周囲
・関節軟骨や関節周囲の石灰化
・軟骨石灰化を来すことが多く、軟骨石灰化症ともいい、偽痛風、結節性偽痛風、CPPD結晶関節症とある。
・偽痛風:軟骨内のCPPDが関節腔に流入し、痛風に似た症状となる
・結節性偽痛風:関節周囲に腫瘤状の石灰化
(鑑別は慢性結節性痛風、特発性腫瘤状石灰化症、長期透析での石灰化、軟部組織腫瘍)
・CPPD結晶関節症:変形性関節症と似るが、非荷重部にも生じやすく、骨棘の頻度が低い。破壊が高度だと、Charcot関節に似ることも
③ハイドロキシアパタイト(HA)沈着症
・中高齢者、性差なし
・急性発作性疼痛、数週-数か月で自然寛解
・肩(特に棘状筋腱)、股関節(大殿筋、大腿直筋)、頚長筋
・腱や滑液包の部位に一致した塊状の石灰化
・石灰沈着性腱炎、石灰沈着性滑液包炎、石灰沈着性関節周囲炎。
・HAは近年、塩基性リン酸カルシウム(BCP)結晶沈着症の名称推奨
(BCPは特発性腫瘤状石灰化症、長期透析の石灰化、進行性全身性硬化症や皮膚筋炎の石灰化にも含まれている)
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