2024年5月18日土曜日

JRS2024春 教育講演17 後半小児の非腫瘍性肝胆膵疾患メモ

 ・小児の脂肪肝は、代謝活性や酵素に異常がないか、背景鑑別が多岐に渡る。

・Wilson病は、最初まだら脂肪肝、いずれ門脈周囲の線維化をきたし、再生結節多発をきたす。 ・心臓術後など、うっ血肝による線維化。  肝臓の出口側が閉塞して傷害される。ミクロでは類洞拡張や出血、中心静脈周囲(zone3)から萎縮壊死。原因として心(肺高血圧、右心不全、フォンタン術後=FALD)、IVC(Budd-Chiari)、肝内類洞(VOD/SOS)。 ・FALD(Fontan associated liver diseaseファルド)は、HCC発生母地となる。肝硬変に至らなくてもHCCが発生する。生検も容易でなく解明しづらい。画像と臨床像が必ずしも合致しない。 ・胆汁うっ滞は、肝細胞、小胆管、大型胆管(画像はここしか見えない)レベルの3つに分けられる。 ・胆道閉鎖症 葛西手術(胆管炎、肝硬変、肝膿瘍、HCCなど術後合併症〜長期観察が必用) ・Alagille syndrome 遺伝性疾患であり、肺動脈狭窄、蝶形椎、特異的顔貌、心血管異常、脳動脈瘤も。 ・PSC+AIH+UC 合併しやすい。小児は成人よりPSCの典型例にならず(small duct type)、肝硬変のリスクが高い。初期smallでもlarge duct typeに移行することもある。 (教科書は『診断』が中心なので、長期的にみるポイントが学べて良かったです。にしても肝障害〜線維化は難しい…)

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