2026年6月26日金曜日

第55回頭頚部胸部画像研究会

~頚部編~


    顎関節の腱滑膜巨細胞腫:TSGCT

T2*やSWIで強い磁化率を認める

6症例検討。100%で難聴や耳閉感などの聴覚症状あり(関節軟骨の種類や関節面に被覆によるものか)。CTでは全例溶骨性変化、中耳や頭蓋内に浸潤、造影効果。T2WIでは半数が著明低信号、半数が不均一、signal voidも。著明なFDG集積。硬膜浸潤あるも、脳浮腫なし。CTではよく染まるが、MRIでは染まらない解離がある(豊富なヘモジデリンによるT2短縮効果がGd造影効果(T1短縮効果)が埋没される)。顎関節可動域などの症状は乏しい。

    嗅神経芽細胞腫術後CTの鼻中隔粘膜弁を用いた再建の経時変化

局所の軟部濃度経時的増減をじばしば認めるため、38例検討。

機序としてNasal cycle(鼻粘膜の生理的変化)でのが考えられる。皮弁サイズと栄養血管の違いにより、術後血流動態への影響が推測される。(篩骨動脈は血流多い。)

増大縮小をくりかえし、数mm程度の変動、無症状であれば非腫瘍性を考えやすい。

    特発性髄液鼻漏による漏出部位同定検討

篩板と蝶形骨外側陥凹に多い

特発性頭蓋内圧亢進と関連。篩板の瘻孔は1-2mmと微小のことが多い。高精細CTで嗅裂のわずかな局所軟部濃度を検出することが重要。(炎症や、無症状骨性狭小化でも認めることに注意)

蝶形骨外側陥凹は、蝶形骨洞の含気化とarachinoid pitを背景としての、脳圧亢進で起こりやすい。

    外耳道腺様嚢胞癌

耳垢腺や異所性唾液腺から。緩徐進行性、浸潤性が強く、神経周囲進展や骨浸潤多い。篩状型、管状型、充実型。組織的には唾液腺ACCと似てる。

病理悪性度と局所浸潤性は一致せず。T2WI不均一でADC低値が組織学的悪性と、PET定量値が局所浸潤性と関係する可能性。

    局所進行扁平上皮癌の術前免疫療法後の画像所見。

6例の検討。1例で、原発巣周囲にSTIR高信号を認め、腫瘍は消失痕あるも炎症細胞浸潤あり。リンパ節も、増大で転移ありや、増大で反応性腫大も認めたり(Pseudoprogression)、周囲浮腫信号(炎症細胞浸潤)が出現したり。

炎症、偽増悪様変化が混在するので注意。

    空洞形成を伴う舌癌肺転移による気胸

舌癌、局所再発多発リンパ節転移再発とともに、舌癌多発肺転移。化学療法およびPembrolozumabにより気胸。

空洞発生機序は、急性増大による中心性壊死、チェックバルブ機構、治療誘発壊死がある。胸膜直下、空洞痙性、治療導入時に注意。

 第55回頭頚部胸部画像研究会

~胸部編~


    シェーグレン関連の肺アミロイドーシス

50FSjS外来観察中、肺嚢胞が年単位に増加増大。辺縁に脈管を伴う。肺底部胸膜下に半円球状すりガラス、小結節も、喉頭にも腫瘤ができ、ALアミロイドーシス。

HE染色で好酸性。肺アミロイドーシスの診断。

嚢胞4-46%:今まではLIPとされてきたが、濾胞性細気管支炎、アミロイドーシス、MALTリンパ腫と関連。結節92%。石灰化。SUV 3ほどのFDG集積。

    樹枝状肺骨形成

40M。検診異常。下葉有意にびまん性に小葉間隔壁肥厚と微小石灰化。

無症状、40-0代に多い。結節性と樹枝状とある。

続発性は肺線維症、慢性炎症、肺うっ血が背景疾患として多い。繊維化に伴って肺胞隔壁に骨化巣、石灰化は分岐し、骨髄を含む。

結節性は、大部分が肺うっ血により肺胞内に沈着。

    中縦隔のMuller管嚢胞

53F。検診発見。

閉経前後の女性に好発。傍/前椎体、特に後縦隔、Th4/5に好発。BMI高値、婦人科疾患既往、ホルモン製剤使用との関連を示唆。

中縦隔といっても椎体前方。男性例も二例(時々)。気管支原生嚢胞のほうが緊満感。

    陳旧性骨折部に発生の髄外造血巣

50M。偶発的に骨盤内腫瘤。33年前から成人Still病、慢性貧血、骨粗鬆症、多発骨折などの既往。骨盤内に脂肪性腫瘤。恥骨の陳旧性骨折部から化骨形成、放射状構造、被膜隔壁の造影効果、内部不均一淡い造影効果。鑑別は髄外造血、副腎外骨髄脂肪腫、脂肪肉腫。

生検で確定。

肝脾臓に多いが、リンパ節、傍椎体などに。骨折部位からの造血細胞は腫や骨髄組織の逸脱の機序が疑われている。

    葉間裂の嚢胞性病変の鑑別

70M。胸部単純写真指摘。液体の入った、可動性や経時的にサイズ変化のある、嚢胞。心膜嚢胞が入り込んだものかと考えたが、胸腺嚢胞だった。

胸腺原基からは頚部報告が多い。

    オミクロン株以降のCOVID-19に気管喉頭のCT所見 138

気管支壁肥厚、声門下肥厚、CT所見の肺炎パターンを確認

平均80歳、読影間一致は良好

気管喉頭肥厚は1/3ほどで認めた

ウイルス性肺炎パターンは少なく、肺炎無しで気管喉頭所見で相関あり。

2026年6月13日土曜日

 <臨床放射線2026.3-4>


【Alzheimer病のPET画像バイオマーカー】

・アミロイドβたんぱく(Aβ)、タウタンパクの脳内蓄積が関与あ

・抗Aβ抗体役の承認により、アミロイドPETが保険適応となり、タウ標的の新規治療薬開発と画像バイオマーカーのニーズが高まる予想


【フルシクロビンPET】

・フルシクロビンは、天然アミノ酸とは異なり細胞内にとりこまれても代謝されすに蓄積する、合成アミノ酸

・11Cメチオニンは細胞内で代謝され、11Cは18Fより陽電子飛行が長いため、18Fフルシクロビンのほうが画質が優れる

・初発の悪性神経膠腫が疑われる患者の腫瘍可視化。術前MRIの補助。

・脈絡叢、静脈叢、下垂体、骨髄、骨格筋の生理的集積がほぼ全例でみられる。松果体にも時に。

 他のアミノ酸製剤同様、腫瘍のみならず、脱髄性疾患や炎症で集積亢進を認める。

・実際の読影

①無集積の神経膠腫

 CT/MRI融合画像でなく、PET元画像を確認する。無集積部位は、血流のない部位であり、嚢胞性腫瘍か高度壊死と考える。辺縁わずかな充実部に集積亢進の場合、Pilocystic astrocytomaなど。

②低集積の神経膠腫

 非常に淡い-脳実質の生理的集積と同等程度の集積。腫瘍位置指摘がPETのみでは困難なので、CT/MRIでもよく確認する。神経膠腫であればGradeの低いものであるが、他の脳腫瘍や炎症性変化のこともある。Astrocytomaが大乗であるが、これはOligodendrogliomaより集積が低くなることが多い。Grade 2やKi67 20%ほどでも低集積となることがあり注意。

③中等度集積の神経膠腫

 脳実質集積より高く、静脈洞集積程度までの集積。MRIでは造影効果がないが、FLAIR高信号のなかにPET集積の強弱描出されることが多く、腫瘍進展範囲や生検部位決定など、臨床的に有益な集積になることが多い。

④高集積の神経膠腫

 静脈洞よりも高い集積で、MRI造影効果と集積部位が一致することが多い。腫瘍辺縁で造影効果はないがFLAIR高信号の部分の中で、PET集積の強弱をみる。


 臨床放射線 2026/3-4 【膠原病に合併するNTM】 ・膠原病の気道病変とNTM-PDの画像的鑑別は単回CTでは困難。膠原病の既存の気道病変に加えて、NTMによる新たな陰影が出現する。拡張気道末梢や細気管支病変に、新規の小葉中心性結節、気管支拡張の悪化や気道内粘液増多、新規...